vol.18写真 &テキストレポート(2022年6月19日)

text&photo:ニイガタブックライト:亀貝太治

※写真に写っている方で「掲載しないで欲しい」という方は、恐れ入りますがこちら→メールまでご連絡ください。すぐに削除いたします

店主募集と当日まで

2022年6月19日、18回目となるニイガタブックライトの一箱古本市を開催しました。

4月。
昨年に引き続き、感染対策により学校町・現代市(いまいち)の中止が早々に決まっていたので、神社をお借りしての単体開催を決定しました。

GW過ぎから出店者募集をはじめたところ、昨年と違い2週間ほどで早々に定員が埋まってしまいました。予想外でした。


↑5/15より店主募集を開始。今回は2週間ほどで定員に達した。

当日の来場者にも「出店しようと思ってたんだけど、気付いたら締め切りになってて…」と何人かに言われました。申し訳ありません。でも今回漏れてしまった方も、来年こそは是非! きっと現代市もやる筈なので、定員も増えるんじゃないかな。GW明けからチェックお願いします!

店主申込にはGoogleフォームを使い、自動返信メール以外は当方から返信しなかったので、心配になって連絡をいただいた店主さんが数人いました。今までの10年ほどはずっと全員に個別メールを返していたこともあって、不安を与えてしまったよう。事務作業軽減とは言え、良くなかったです。次回から改善します。

当日朝の雨

さて当日。直前の予報でもほぼ雨は心配なかったのに、朝6〜7時からパラパラと降り始めました。店主が集まる8:30にはやんだものの、9時から開店10時までの間は何回か小降りになって、慌てて本箱にビニールを被せる騒ぎに。

屋外出店の方はご心配だったと思います。でもなんとか開店時には雨はあがり、無事にスタート。ほっとしました。

1日中途切れないお客様。なぜ?

相変わらずスタートからの1、2時間の人出はかなり多く、どんどん本も売れました。

今回は1日通して最後まで「がらーん」という時間がなかったように思います。もちろん現代市併催のような入場者数でないけれど、でも一日中ずっと、お客様が途切れることがなかった印象。そして当然だけど、古本を目当てにわざわざ来場されている方オンリー。
「本買うぜ」という意欲が違います。

現代市もなく、飲食出店もなく、ゲストもいない。
あるのは本当に本だけ。

なのにこれだけのお客様が、1日中ずっと、古本市だけを目当てに来てくれる。
この10余年、他の場所でもかなり開催してきた経験から、これがどんなに有り難く大切なことか分かります。

この集客はひとえに、佐藤店長(北書店)が毎回毎回工夫を凝らして呼ぶゲストや、飲食出店の仕組みづくりなどが積み重なってきた成果であるし、
地元に根付いた現代市という祭りの多くのお客様の中から、本好きへとじわじわ浸透していった成果であると思います。

皆さんの力があって、大きな宣伝もしていない古本市に、ちゃんとお客様が来てくれるようになった。

佐藤店長ありがとう。
今年3月に脳内出血で倒れ、今回は残念ながら退院することができなかった。ちょうどこれを書いている7/7に退院したらしいです。リハビリ本当に大変だと思うけど、ひとまずはおめでとう!
来年は元気なあの笑顔で現れて欲しい。皆待っているよ。

昨年6月の一箱古本市では、直前に退院して奇跡の復活をして見せた佐藤店長。手前にあるのはRYUTistの北書店支援ドネーションCD

お手伝いさんありがとう

今回は県外から2人、市内で3人、以前ニイガタブックライトを一緒にやっていたメンバーが助っ人で参加してくれました。出店なしのスタッフが3人も居たので、色々お任せできて本当に助かりました。県外からの一人は2011年の立ち上げから一緒だった女性です。

こういったスタッフたちとはもう長いおつき合いで、今も機会があれば一緒に呑んだり、全国を跨いだ「お勧め本紹介Zoom呑み会」を皆でやったりしている。これがとても楽しい。

今回、出店無しスタッフが数人居てくれたおかげで、彼らに運営仕事をお願いし、亀貝は店主に専念することができた。本当にありがたい。またぜひ来てください。



2011年から6月の学校町一箱古本市には欠かさず参加していただいた「一箱古本市」の仕掛け人:南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)さんは、昨年感染対策で県外からの出店をお断りしたため、初めての欠場。その節はすみませんでした。今年から再び参加です。

神社に入ってすぐ左側が、南陀楼さんの定位置。ひととき賑やかな年輩女性が数人、楽しそうに話していましたが、そのうち一人は南陀楼さんの新潟の常宿の女将さんだったらしいです。古本市にも来ていただいて、素敵な関係だなぁと。

出店が楽し過ぎる

さて自分は、一箱古本市への「出店」が大好きです。

毎回必ず出店していて、今年で18回目になる訳だけど、通常はどうしても「運営の傍ら」の店主でした。しかしなかなか店主業に完全に専念できない。

主宰者の立場からどうしてもイベント全体を客観視し、店主の皆さん・お客様それぞれに不便なところは出ていないかをと常にチェックしている。意識しなくても自然とそういうモードに入っている。店主にはすべからく声をかけ、楽しんで帰っていただくよう話を聞きます。それが普通で、そのこと自体を楽しんでいるのではありますが。

昨年から神社のみの小規模開催になったことで、これらの「運営者モード」を初めてシャットダウンして、店主に専念することができるようになりました。

店主は楽しい。とにかく楽しいです。

お客様への声掛けのタイミングひとつとっても、必ずしも会話が好きな人たちばかりではないので、難しいのですが、そういうことをいちいち様子見するのがまず楽しい。これは自分の性分故でしょう。

本を手に取ってもらっても、しばらくは声を掛けない。ここぞ、というところで少し声掛けするか、半分位は買ってもらう時まで声掛けしないかも知れない。

そこで自分はこの本がどのように面白かったかを話すと、お客様からも思ってもいないような反応が返ってきたりします。お客様がどんなところに興味を持って買ってくれたのかは、自分とは全然違ったりする。

今までやったことがない、面出し用POPを沢山書いたら、やはり書いた本からどんどん売れていきました。嬉しい。買った時もPOPを読んでいることは分かるから、ちょっとした声掛けをしやすい。

売れた本だけじゃない。並んでいる本を読んだことのあるお客様から声がかかることも多い。
買わないけど、これ読んだよ、こうだったよねという会話で、なんとなく他の本の推薦の相性を推し量ったりする訳です。

「これすごい面白かった!」「ですよね?でもなんでか売れないんですよ。もう何年も出してるのに」「うーん……表紙のせい…かな?」「そうか!」「こんなおちゃらけた内容じゃないよね?」「確かに。もっと真面目なフィールドワークの本!」「実は世界を救いかねない話なのに!」「それ!ホントそれ!」
さて、タイトルは何でしょう。
まったく面識のないお客様と、一瞬ずばっと通じ合う瞬間がたまらない。

そして「面識がない」と思ったら…
「○○年の一箱古本市でお勧めしてもらった「□□□」が面白かったんで、また来ました!」と言ってくれる、リピーターのお客様もいました。

当店だけでなく、常連の店主には一定数のファンがついています。「あれ、今回あのお店出てないんだ〜」という声もいくつか聞こえました。

一冊の本を黙って、ずっと中身を見ている高校生?位のお嬢さん。
ずっと見ているからついつい「若い人に読んでもらいたいから、○○円にするよ」と囁くと、すっと財布を取り出す。その光景に見覚えが…
あれ?あなた前もそうやって黙ってずっと読んでましたね。迷う人なんだな。とか。

一瞬も席を離れたくない

そんな一瞬一瞬を逃したくなくて、正直1秒たりともお店の前を離れたくない。お昼ご飯も予め買っておいて、席を離れることがないようにしています。他のお店を廻って、お話しながら買い物をする時間だって、勿論とっても楽しいし大好きです。
でも店を少しでも離れるのは惜しい。

ここまでの気持ちになるのは、学校町が初めてです。
しかもこの2年のこと。別団体の一箱古本市に店主として出店した時も、ここまでではなかった。

何故か。
学校町のお客様のせいなんです。
この2年は古本市しかやっていない。飲食もゲストも物販もないから、単純に「本が好き・本を買いたい」という本好きだけが、1日中途切れずにやって来る。店主にとって夢のような場所だったのです。これには明らかに土地柄があって、学校町は本好きで詳しいお客様が断トツに多い。

だから一人残らず、興味を持ったすべてのお客を見ていたい。どこに面白い出会いがあるか分からない。そういう気持ちになってしまうのでした。

(もちろん亀貝の出店場所が入り口近くでとても条件が良いことだったり、最近の話題本ばかりを売っていたり、主宰者手当も当然あるのだろうけど)

亀貝がどれだけ楽しそうだったか、という話を、終わった後に知り合い数人から聞きました。最近沈んでいることが多い自分が、まるで昔のように楽しんでいたように見えてほっとしたと。

その通りです。本当に、心から楽しかった。16時までに延期して良かった。
そして奥さんからは「こういう商売やったらいいのに」と言われた。本当にその通りだ。こういう仕事があったら飛びつくので誰か教えてください(本気)。

で、何が言いたいかというと、当日専任スタッフさんが居るとありがたいってことです。次回もどなたか、是非お願いしたい。専任スタッフはそれはそれで楽しいですよ!本読みながらのんびりやってもらえばいい。事前準備は全部自分がやりますので、当日はお願いしたい。

終了。2019年までは毎回…

いつもより1時間遅い16時に終了。延期の理由は、いつも自分が15時終了を寂しく感じていたから。そして終わった後の打ち上げもないから。

長ければ長いで売る本がなくなったりするんだけど、でもまた意外な出会いがあったりして、自分的には16時終了の方がやはり良かった。店主の皆さんはいかがでしたでしょうか。

2019年まで、古本市終了後はいつも北書店で発表会、トーク、呑み会と夜まで続くいていました。
もちろん前回・今回は感染対策もあり、開催することはできませんでした。

ずっとやってたことなんだけど、今はちょっと信じられない。あんなに楽しい場所が毎年あったなんて…。

(以下は過去の打ち上げトーク、北書店での呑み会の写真です)




また来年も

「純粋に古本だけの集客」において、学校町の力をまざまざと実感したこの2回。
これは、1年後とか悠長なことを言ってられないのでは。秋も開催しなくてはいけないのでは。
今、切実にそう思っています。もし決めたらTwitterで告知しますので、よろしくお願いします。

vol.18とこれまでのすべての参加店主さん、お客さん、本当にありがとうございます。
今後も引き続きよろしくお願いします。

text&photo:ニイガタブックライト:亀貝太治