一箱古本市@不忍ブックストリートに行ってきました

最初に東京の谷根千(谷中・根津・千駄木)地域で「一箱古本市」を始めた、言わば本家の「一箱古本市@不忍ブックストリート」に、初めて行ってきました。

(report:亀貝太治)


一箱古本市自体は「不忍ブックストリートweek」という、総合的な16日間のブックイベントの期間中の、2日間だけ開催されます。一箱古本市以外の総企画数は30以上。内容もトークイベント、ワークショップ、展示会、パフォーマンス、ライブ、骨董市などさまざま。
※イベント内容→実行委主催外部より参加
全国に広がっている一箱古本市も、このようにさまざまなイベントを盛り込んだ「week」「○○月間」的な中に、数日の一箱古本市を挟む、というようなスタイルが多くなっているようです。

さてさて一箱古本市。不忍の場合は約8軒の大家さんを廻る形です。大家さんはおよそ1km四方の区間内に散らばっており、お客様はまち歩きを楽しみながら、MAPを片手にその8軒を回る形になります。

私の行った5/3は、後半雨が降りましたが、そのおかげで初めてカフェに入り、一息つくことができました。それまでずっと廻りっぱなし。夢中になって見ていました。それぞれの箱の個性は勿論、ただ販売するだけではなく、見た目にもさまざなま工夫をこらしていて飽きないです。また、当たり前のことですが気になった本のことを聞いても全部答えてくれる(時には超個人的な意見で)のが嬉しい。そこが大規模な古本市とは違うかも知れません。一箱古本市は、お客様も積極的に店主さんに話しかけた方が絶対に面白いな、と思いました。

古本以外にも自費出版本だったり手作り冊子だったり、果てはCDやポストカード、古文房具などの雑貨類も多く売っていました。私達の一箱古本市in現代市では、売る物を書籍に限定しようかと話していた(周りがフリマですので)のですが、いざ見てしまうとやっぱりまぜこぜは楽しいなぁと思いますね。

印象的だったのは書店との連携。今回は「古書ほうろう」「古書信天翁」「往来堂書店」が一箱古本市と連携していましたが、プロの本屋さんのスペースと素人?の一箱古本市がコラボしているその雰囲気の素敵なことといったら。で、間違いなく相乗効果があるんですね。お店の方でも思わず買ってしまいました。

往来堂さんは新刊書店ですが、古本を周りながら新刊書店に行くと、また新しい気持ちで本を買ってしまう(笑)。3店ともすばらしく魅力的な本屋さんでした。最初「古書ほうろう」に入った時に思わず涙が出そうになるのを堪えていました。そこには、昔学生の頃、自分が通っていた、はしごしていた、「普通の古本屋さん」の姿がまだ残っていた。新潟市ではほぼ絶滅してしまったあの「古本屋」。その昔懐かしい光景がいきなり目の前に現れて、自分の中ではいきなりタイムスリップしてしまったかのようだったのでしょう。大袈裟ではなく、例えて言えば映画『異人たちとの夏』で過去に迷い込んでしまった風間杜夫のあの気分です。

何よりショックだったのは、その「古本屋」の光景を自分がすっかり忘れてしまっていたこと。なくなったので当たり前といえばそうなんでしょうが。新潟で言えば明治屋や北光社(他にも今思い出せないお気に入りだったお店達)、どんなに気に入っていたお店でも、いざなくなってしまうと、どうしたって忘れてしまうものだ、という圧倒的な事実に、気づかされます。

レポートとは関係ない駄話が長くなってしまいました。
以後は写真によるレポートです。クリックすると説明が出ます。
写真撮影と掲載を快く許可いただいた皆様、ありがとうございました。
新潟での一箱古本市の話をすると皆さん興味深そうで、中には来ていただけたり出店を検討していただける方もいらっしゃいました。嬉しい限りです。
是非新潟でお会いできるのを、楽しみにしています。