vol.07 一箱古本市in現代市2014レポート
随分と時間が経ってしまいましたが、去る6/8(日)に開催されたvol.07 一箱古本市in現代市2014のレポートを、亀貝が覚えている限り書かせていただきます。あやふやな記憶ですので間違っている所あったらすみません。
今回は一箱古本市の前後に、それぞれ一回づつ関連イベントを開催していますので、時系列で振り返ります。
1)南陀楼綾繁トークショーinメディアシップ
「ちいさなお店とまちの話~一箱古本市を通して見えてきたこと」
5月29日(木)19:00〜21:00
→佐藤店長の予告記事
これまでにはなかった、場所を変えての関連イベント。全国的に一箱古本市が盛り上がり、新潟でもその名前がそこそこ知れてきた中で、南陀楼さんの新刊『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)出版に併せて、「一箱古本市とまちあるき」をテーマに少しターゲットを広げて開催してはどうか、という佐藤店長の企画。狙い通りというか、北書店で開催していたらおそらく見ないだろうお客様が沢山、総勢で40名様以上来ていただきました。
また、「不忍のギター弾き」吉上恭太さんも南陀楼さんの応援で参加。トーク前にミニライブを開催していただきました。
トーク内容は、そもそも新潟で一箱古本市がはじまったきっかけ(南陀楼さんと私たちの出会い)から、南陀楼さんの「まちの歩き方」、紹介の仕方され方、どんなまち歩きが楽しいのか、新潟のお気に入り、外から見た新潟の良さ、などなど。佐藤店長は「一箱古本市を通して見えたことは「ない」というのが今日のテーマ」からはじまり、南陀楼さんと「町おこしっていうけど『おこさない方が良い町』ってあるよね〜」など。南陀楼さん、念願の沼垂に今回行けたそうで喜んでいましたよ。
当日の写真は→こちらからご覧いただけます。
2)一箱古本市in現代市 前日〜当日
学校町の定番なんでしょうか。前日まで天気予報にはやきもきさせられたあげくに、結局最後まで曇り時々雨の予報。でも此処はいつも奇跡が起きる場所。だからまぁ、何とかなるだろうと思ってはいたのですが、主催ですのでそのままで迎える訳にもいきません。
神社内の社務所と、徒歩3分ほどの白山市場(借りるのは有料)を、雨天時の代替地として手配しました。代替地開催となった場合の誘導看板も大量に作りました。とりあえず後はお天道様まかせ。準備完了。
準備を終えた後は、内野で一箱古本市常連:いとぽんさん主催の「フリーペーパーの設計図ワークショップ(→レポート)」の講師を務めるために前日入りしていた南陀楼さんと、ニイガタブックライト立ち上げからのスタッフで今は大阪に転勤になったTさんなどと、学校町通で楽しくお酒をご一緒しました。
さて迎えた当日。朝のうちは怪しい天気だったものの、やっぱり晴れました!のみならず、本当にピーカン。暑い。暑すぎる。極端なんだよなぁいつも。おそらく「雨だったら撤収しよう」と思って参加していただいた店主さんは、まさかこのような炎天下に晒されるとは思っていなくて、日除けの準備もあまりしてこなかったんじゃないでしょうか。相変わらず過酷な一箱古本市になりました。
朝、搬入時の店主受付は、これまでの経験を踏まえ無しとしました。開催日1週間ほど前にお店の配置を事務局側で決め、配置表をWEBで公表・配布します。当日朝も配置表を配りながら、店主さんには自分のお店の場所に直行して準備をしてもらう方式です。開始時間の直前にスタッフがお店を回り集金と必要書類を渡し、受付完了とします。受付待ちや荷物の仮置きもなくなり、いつもの学校町より朝はずっとスムーズだったと思います。
さて学校町での開催は、通行止め開始〜イベント開始までの通行止めの状態が何段階もあり、アナウンスするタイミングがいつも難しいのが悩みです。次回のためにも覚え書きで書いておきます。
8:45頃〜 店主さんが到着しはじめます。8:30までには誘導のためのスタッフも配置についています。
9:00 通行止め開始。学校町通りの入り口が閉鎖され、搬入車も進入禁止になります。なので一箱古本市の搬入は高橋整形さん、もしくは菅原神社正面の流入道路から学校町通りへ入っていただくことになります。
9:30頃までは一般車や住民の方の車が通行しているので、道路までお店を広げられません。歩道内で準備していただきます。徐々に流入道路の通行止めが進み、どこかで、遅くとも45分までには「お店を道路まで広げてもいい」アナウンスを行います。
10:00 スタート
店主さんには9時から来ていただいているのに、通行止めも始まっているのに、開始15分とか20分前まで道路には広げられない。だけど歩道では準備していただいている。これを良しとするか、何かの対策を立てるか。いつも課題です。
余談ですが、ニイガタブックライトの一箱古本市は殆どがストリートで開催されています。土地柄、多くの店主さんが自家用車で搬入し、近所のパーキングなどで駐車されています。搬入搬出時の「車のこと」は大きなテーマです。搬入時は多くの車が一時停車しますので、一箱古本市と関係ない一般の通行車との兼ね合いなどがいつも問題になり、その車の交通整理、動線作りがとても大切です。また動線次第では「荷物の仮置き」スペースを準備する必要もあり、スタッフは台車での荷物運びに大忙しとなることも多いです。
さて10時の開始時間、ゲストの三上延氏も到着しました。当初は出店もしていただく予定だったのですが、スケジュールの関係で準備ができず今回は断念。開始時間から精力的に廻っていただき、一箱古本市を楽しんでいただけたようです(一箱古本市自体あまり廻られたことがないと言ってました)。
谷中から巨大なスーツケースにベーグルを詰め込んでマツジュン・MJこと旅ベーグルの松村純也氏も到着。菅原神社内でてきぱきとお店をつくり、販売を始められました。当初から予告していた『Olive』とベーグルの抱き合わせ販売の他、朝の新幹線の中で作ったという「おみくじ」や自身で主宰するTABI BOOKSのzineも登場。そのお調子モノトークで大人気を博していました。(後日、この日の体験をzineにする予定があるそうです。発行されたら北書店からもアナウンスあると思いますのでお楽しみに!)
今回はスケジュールの関係で一箱古本市エリアに旅ベーグル以外の飲食の出張販売がありませんでした。特に出店者さんにはご不便をおかけしたかも知れません。少し新潟高校側に離れたso littleさんでは東中通のカフェ「marilou」が出張していました。残念ながら私は行けませんでしたが…。
終了後Twitterで「以前marilouさんがお弁当を移動販売されていて店主的にはすごく助かった」という話を読みました。そのような声が多ければ、今後お店を廻る移動販売を最初から検討しても良いかも知れません。ちなみに一箱古本市エリアが始まるあたりにある定食屋さん「丸屋」さんは、現代市の時も開いている学校町オススメ飲食店です。今回も三上氏とお昼をいただきました。ボリュームはカナーリ多めです。
お客様の入りも相変わらず良かったです。ニイガタブックライトの第1回目として始まった一箱古本市in現代市も今回で4回目。回を重ねるごとに知名度も少しづつ上がってきて、定番の行事として安定化してきたように思います。
終了15時に近づくにつれ空模様が怪しくなり、14時半頃かな?いよいよ雨が降ってきて、自然に終了となってしまいました。15時を過ぎるともう本格的に降ってきて、これが開催ど真ん中でなくて良かったなぁとつくづく思いました。
雨の中撤収を終え、夕方からは北書店で表彰式、懇親会へと。表彰結果はメモがないので、ここでは省略します。三上延氏をはじめゲストからも賞を選んでいただきました。そしてマツジュンの面白トークが炸裂。場の雰囲気をごそっと持っていってしまいました。マツジュン、サイコーです。
南陀楼さんと三上さんは初対面でしたが、年代的に三上さんは南陀楼さんのお名前や文章を以前より見ていたそうで「感慨深いです…」との感想を。一箱古本市や古書店勤務、本屋さんの思い出などを語っていただきました。また、南陀楼さんと三上さん、それぞれに一箱古本市での買い物を披露。三上さんは来る前、買うのは2〜3冊に留めようと思っていたのに結局宅急便で送らなくてはいけないほど大量購入していました。BL本にまで及ぶ「ジャケ買い」ぶりが笑わせます。その後は多くの店主さんを交え懇親会へと進みました。
今回三上氏に来ていただいたそもそものきっかけは、私亀貝が三上氏と昔のネット知り合いだったことから、なのですが(→イベント告知記事でも書きました)、そのなれそめというか当時の(今とは少し違う)ネット文化についても話させていただきました。日記猿人、テキスト庵、READ ME!などの単語でピンとくる方はいらっしゃいますか?その界隈で仲良くなり、何度かオフ会でもお会いしていました。そんな昔話を皆さんの前でするのは結構恥ずかしかったりもしましたが、今になって自分の主催する古本イベントにゲスト出演してもらうという今のシチュエーションを考えると、こちらも感慨深い。そんなこんなで皆でワイワイと話をしながら、第七回のニイガタブックライト一箱古本市は無事終わりました。
3)『ビブリア古書堂の事件手帖』作者・三上延×北書店佐藤店長トークイベント
「本屋と古書を巡るアレコレ」
6月9日(月)19:00〜21:00
関連イベントとして、翌日夕方から三上延氏のトークイベントが北書店で開催されました。ライトノベル作家さん(しかも日本で一番売れた文庫の作者)という、これまでの北書店の指向にないゲストだったので、佐藤店長はどんなお客様が来るのかちょっとビビっていたようですが(笑)、はじまってみるとそこはやはり北書店という場所柄なかんじで。意外に女性が多かったです。イベントの様子は→こちらをご覧ください。
トークの内容はプロ作家になるまでの成り行きの話、『ビブリア古書堂の事件手帖』が生まれたきっかけや、その当初の狙い・ターゲットなどの話。そもそもは古書店バイト時代の裏話を飲みながら編集さんに聞かせてたら、「それ書いてみましょーよ!」というきっかけだったとか。古書とライトノベル・ミステリーというジャンルのマッチングは最初かなり悩まれたようです。あと食べていけたのはどこから、とか。
質疑コーナーではスランプやアイデアの出し方などの質問が多かったです。中には新潟在住のプロのラノベ作家さん(三上さんの後輩だそうです)からの質問もありました。スランプ脱出やアイデアが出ない時は?などの質問に、とにかくとことんまで考え抜くこと。「とことん以上に考え抜くことができる」のがプロではないかと。そこがプロとアマチュアの違いではないかと話されていて(すみませんメモもなくニュアンス違っていたらすみません)、うーんどこもそうだけどやっぱり厳しい世界だなぁと。
また、『ビブリア…』がきっかけで太宰を読み始めた、という女子高生の話に思わず小さくガッツポーズをとる三上氏。他にも「学生の時にどんな本を読んでおくべきか」という質問に「読んでおくべきという本はないけど、とにかく好きなものを突き詰めることが良いと思う」と答え、佐藤店長も「漫画じゃなくて本を読め、なんていう親に限って自分は本なんてさっぱり読んでないことが多いよね」と返したり。
サイン会を終え、最終の新幹線で帰られた三上氏。お忙しいところ大丈夫かなと心配しながらお誘いしましたけど、あまりこのように出かけてイベントに参加する機会はなかったようで、楽しんでいただけたようでほっとしました。
これにて関連イベントをすべて終え、無事ニイガタブックライトvol.07は終了しました。
店主の皆様、ご来場の皆様、ゲストの皆様、本当にありがとうございました。
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ほっとする間もなくその次の週は二階堂和美さんが北書店でライブを開催!などなど催しモノがその後も目白押しで、レポートが遅くなってしまいました。すみません。次回vol.08は10月5日(日)に沼垂市場で開催予定です。何卒宜しくお願いいたします。
文章&写真:ニイガタブックライト・亀貝太治